前回から時間が経ってしまいました。3月は瞬く間に、そして4月は次々現れる絶望の種に翻弄されながら、ゆっくりと過ぎていきます。地方議会選挙も、地域によっては変化の兆しを感じさせながらも相変わらずの結果、さらには統一教会問題も尻切れトンボになりそうな状態、国会は与党と維新・国民のやりたい放題です。もはや民主主義の形式すら消え果ててしまった感です。岸田首相は私の目から見ると、ただの空っぽの首相ダミーにしか見えません。あるいは原発から言論統制からLPGTQから防衛費倍増から沖縄へのミサイル配置から、なにからなにまで空っぽの胴体につめこまれて、アメリカ政府から「よしよし」と好きなように使われて貢いで捨てられる惨めな愛人の姿にしか見えない、といったら言い過ぎでしょうか。
経済的には先端産業をすべて奪われて変わることもできず変わる気もない産業構造をひたすら守り続けるだけ。リニア新幹線がどれほど無駄なものであるかを知りながらもやめられず、原発維持がこれからの時代にどれほど浮世離れしたものかわかっていながらも持続させ、しかもGXの中に取り込むという冗談のような話です。日本が将来住めない土地になるという恐ろしい可能性についても何も考えない人たちが国の中心部にいることは、悲劇です。どうしてこんなに鈍いのか、呆れて何も言えないほどです。
戦争話に群がる人たち、特に若い人たちは、恐らく現状の鬱屈状態、希望が見えず行き詰まっている状態に早く終止符を打ちたくて、戦争というゲームの世界でしか知らないものに、期待してしまっているのでしょうか? 人の命が弄ばされ心が破壊される戦争というものの非人間性がわかってないうえ、それをわからせようとしない政府の中心にいる権力の亡者たち。若者に「年長者が決定し、壮年者が命令し、若者が死ぬ」といわれている構図の犠牲になってはいけない、と伝えたいのです。1941年12月、一般の庶民は、重苦しい空気の漂っていた日米交渉が決裂して開戦したことにホッとした空気があった、と聞いています。その結果が1045年の敗戦だったということを考えるにつけ、同じことを繰り返す愚は避けたいものです。
いまのウクライナ戦争でも、現在いちばん必要なのは停戦交渉でしょう。長引けば刻一刻と無駄に失われる命が増えていきます。なのにその努力もせず武器援助とは耳を疑います。私はただ停戦してほしい、この思いあるのみです。何のかかわりもなかった同士、平時であれば友人となった可能性すらある同士が、お互いに殺しあう戦争は野蛮の極みです。日本の言論は戦争を煽る人たちがのさばりだしています。しかし「台湾有事」は本当に存在するのでしょうか。私にはこれは安倍が流したデマだとしか思えません。そのバックにはアメリカのトランプがいて、安倍が契約した巨額な武器の支払いの理由付けを考えたのでは、と疑わざるを得ません。

いまの日本の嫌中感情は、私にとって異常と思えますが、メディアがせっせと作り上げてきたものには違いありません。ある中国滞在の長い商社の人が動画で話しているのを聞いてまさしくその通りだと思ったのは「中国政府は中国人を信用していないし中国人は中国政府を信用していない」という言葉でした。政府の言うとおりになびく日本人とは違います。2001年から2011年まで滞在した中国で、私が感じたのも同じでした。日本人が予想するのと大違いで、社会の風通しを良くしておかないとまずい、という政府と国民の間の緊張関係がバランスをとっているように思います。ですからその期間中国の政治にはとても詳しくなりました。日常会話で政治の話が飛び交っていますから。
さらに向こうに住んで思ったのは中国人は合理主義の権化だ、ということでした。少なくとも中国政府が賢いのは間違いありません。賢いというのは間違わないということでなくて、間違った時に修正するのが早いということです。ですから金の鵞鳥である台湾をつぶす愚はおかさないでしょう。台湾の人ももちろん合理主義者です。感情に走ってつまらない結果を招くようなことはありえない、と思っています。そう考えるとき、日本はアメリカに利用されるだけ利用されて搾り取られ、なにもなくなったら捨てられるのでは…という思いを禁じ得ません。
その方向に向かって走っている今の日本政府が哀れでなりませんが、それに引きずり込まれる日本国民はもっと哀れです。政府を批判していても来る時が来たら引きずり込まれるのですから。どうしたものか、と考える日々です。地方議会選挙で女性議員が2割を超えたという結果が、もしかすると命を大切にする発想に多少は影響があるかも、とふと思います。

⁂中国に対する見方が甘いと思われる方がいると思いますが、1945年の敗戦に際して家族の生活を保証して内地では信じられないほどの待遇を与えてもらった記憶が大きいのかもしれません。父は生きている間、中国の悪口は決して言いませんでした。かりにいま戦争で日本が勝ったら中国人にたいしてこのような寛容な態度を取れるのか、疑問を感じます。
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